決勝日、更に冷え込み氷が絞まるが、ストレート箇所は荒いまま。
ただそこは問題ではない。
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自分の問題は最終コーナー。トライアングルを乗り越えてパンピングするか、
トライアングルを越えず、アウトインアウトでエッジを食い込ませ攻めるか迷っていた。
というのも、自分のライディングにそこまでタイムに変化が見られないのだ。
接戦ならトライアングルでパンプで、ラインがクリアならアウトインアウトの安定感。
この考えでいた。
エントリー数が少なくロシアのエカテリンブルク同様、長野もLCQは無し。
決勝ヒート組み合わせ発表
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自分はHEAT6 MICHAEL HOFFMANN[ホフマン]と2人対決。
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右のキャップがホフマン(ドイツチーム)
ホフマンはロシアもオーストリアでも共に戦った仲で直接対決は初めてだ。
オーストリアでは斎藤君が戦ってホフマンに負けてLCQを落としている。
背も高くイケメン。朝にはカプチーノ飲みながらミーティングに参加するエリート。
おまけに妹も美人とスーパーが付くナイスガイだ。
同じホテルという事もあり、会場に車に乗せてあげたりした仲が良いドイツ人ライダーだ。
前日の夕食もドンチャン騒ぎを楽しんだ。
4名で2名勝ち抜けだが、2名場合だとレースをしても、そのまま2名勝ち上がれるラッキーヒート。
「お前とかw2だけで敗退ないから安心だな」ってお互い笑ってたけど、作り笑いなのはお互い分かっている。
というのも、 Ep1に説明した通り、予選タイム同様ここでの1位と2位の差も最終のリザルトや、
次のゲートポジションに反映してくるのだ。
スタートゲートのセレクトは予選の速い順から選べる
スタートゲートの優先順位
「え?俺決めていいの?」
斎藤君に「何戦戦ってるんですかw笑」
「えぇー選ぶの初めてだわw笑」
正直、2戦も海外で戦っていて気づかなかった。
というのも恥ずかしながら自分が選ぶ状況に出くわさなかったからだ。
20m先に左コーナー。
(1)(2)(3)(4)ゲートは2が有利
2レーンを選択。そしてホフマンがイン側の1レーンを選択。
「う、強引に押し出してインにきそうだな。」
正直どう入ってくるか読めない。
「ホフマンそこ?なら俺は3レーンにチェンジするよw」
「SHIGERUがそこなら俺も変える。2に移動だ。」
このゲートセレクトでスイッチが入った。
📣「はぁそうですか💢そうですか💢よーし!!ブッ飛ばす‼︎」
イン側2ゲートホフマン。3ゲート自分
熊逃げダッシュでアウトからインに突っ込んでやる。
アウトインアウト+パンピングでのスピードの伸びで引き離してやる。
アウトから抜かされたら、さぞ悔しかろうw
トレーニング日に呑気に長野観光なんかしやがって(urayamashi-zo)
拳一つ前に出ればこっちのもんだ。
このバチバチボルテージMAXでGoProのスイッチを入れ忘れています。…すみません。
予選はホフマンが6位、自分が7位。注目カードだったようです。
「ライダーズレディ5セカンドワーニング…」
同じ態勢のスターティングポジション
体を前に乗り出し倒れないように支える同じ態勢のポジション。
それもそのはず、前日のタイムトライアル前、ホフマンと一緒に
「この態勢良くね?って」スタート練習していたのだ。
まさかこの組み合わせとは。。。でも容赦はしない
「カーン!!!」
ウオォーー熊逃げ鬼ダッシュ!!
3歩目の10cm僅かなバンクの段差に足を刺して踏む!!
推進力!!
「視界に入らない!! よし前に出た!!」
「まだインに行かない前にダッシュ!! …まだ前!!」
「ココ!! 」インに刺す。
視界にホフマンが入る。さすがイン側
「!!クソッ」セクションで重なるっ
「引かん!!刺す!!」
アウトから狭いRに飛び込む。
二人同時にエアで入る。
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アウト側だがタイミング完璧。アウトギリギリまでダッシュして飛び込んだ勢いと
高く飛んだ重力を推進力に変えられるRの上のリップに着氷。
「オラァーーラウンドパンピング!!」
アウト側は水平ではなく傾斜になっているがほぼ完璧な踏み込み。イン喰った!!
縦から横へのパンピング
このコースの形状だとアグレッシブインラインスケーターならボトムの奥までパンピング出来る。
手前で飛び込み畳んだ膝をボトム奥まで使い切る。
ボトムストレートに傾斜があれば、サイドラウンドのパンプが可能でボトムでもスピードアップが可能。
要は、縦のパワーのRでのパンプ、横の遠心力をしごきのパンプで推進力に変える。
多分これを理解しているのは新横パークのラウンドを滑り込んだ鈴木選手。
このボトム部分を120%スピードに変えらるのは
今回不参加のプロアグレッシブインラインスケーター安床武士のみだ。
そして俺もアグレッシブインラインスケーター。
パンプした瞬間にエッジを喰わせる
態勢を変え「ギューン」と遠心力でスピードに変え上げ駆け上がる。
そこから更に2回しごく。
マリオカートのスピードアップポイントの様にスピードが伸びる。
ホフマンが視界から消える。
よし!!次コーナーイン取れる!!
第2コーナーインを刺してストレート!!
ダッシュ!!
『!!!うわっ』
荒い氷に足が取られ上半身が起きる
「Wow!!」ホフマンの声が
ホフマンいるぅ〜汗
わかる、すぐ後ろに居る!!
クソまだダッシュ!!
態勢を整え3コーナー
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アウトインアウトを選択。
イン!!逃げ切る。
ゴール!!
やったーー1抜け。
ホフマン「バランス崩すからビビったよ〜」
すまん。でも勝ちは勝ちだな。
よし!!6位に勝った。
二人テクテク歩きスタートゲート戻る。。
「Hey..Hey!!…」
「What?」
「ラストコーナー、アウトインアウトがベターだよなやっぱ。。。」
「ベター?まぁ安定してるしな、そうだな。。」
この一言にホフマンの作戦があったことにまだ自分は気付けていなかった。
10分後…二人の姿。
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